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「ブルンストロームステージ」と「上田式12段階片麻痺機能検査」の変換早見表

 

私は現在、脳卒中に関わるリハビリテーション理学療法)を行っています。

私の臨床感ですが、近年の傾向として脳卒中患者の運動麻痺の残存度は、とても重度かあるいはとても軽度かの二極化している印象があります。

それにはr-tPAや血栓回収術などの薬剤・手術といった医療技術が向上してきた影響や、KAFOを使用した立位・歩行を中心とした運動療法など、医学的リハビリテーションエビデンスも増えてきている影響などが大きいと感じています。

以前のような所謂Mann-Wernicke肢位の患者さんはあまり見かけなくなったのではないでしょうか。

片麻痺という機能障害の回復過程やパターンが古典的なものとは異なるという指摘もなされるようになってきたり、

特に下肢に関しては、運動麻痺が重度でも歩行が行えるようになる患者がいたりと古典的な評価スケールを用いて中枢性の運動麻痺つまり片麻痺の分離運動を評価すること自体の意義についても懐疑的な目を持つセラピストの方もいると思います。

しかしながら現在でも、これまでに使用されてきた中枢性運動麻痺の評価スケールは、各施設で優先度の高い評価項目として用いられていると思います。

 

その代表的なものに、

  • Brunnstrom stage(ブルンストロームステージ)
  • 上田式12段階片麻痺機能検査
  • Fugl-Meyer Assessment:FMA(フューゲルマイヤーアセスメント)の運動項目
  • Motor Assessment Scale:MAS(モーターアセスメントスケール)
  • Motor Status Scale:MSS(モーターステイタススケール)
  • Chedoke-McMaster stroke assessment:チェドックマクマスター脳卒中評価

などがあります。

上肢に関しては、錐体外路などの関与が下肢よりも少ないためか、上肢に関する項目は各評価間やでADL評価であるBI・FIMなどとの妥当性・信頼性のエビデンスが検証され、担保されてきている印象です。 

 

これらの評価の内、実際に私の所属する病院施設でも、包括的な評価方法としてはNIHSSなどを使用していますが、中枢性運動麻痺の機能評価としては「Brunnstrome stage」を使用しています。

 

一方で、Brunnstrom stageは判定基準の曖昧さや、信頼性・妥当性の検討が十分になされていないなどの問題点が多いともいわれています。

判定基準に関して、Brunnstrom stage評価の問題点を改善する目的でつくられたのが、「上田式12段階片麻痺機能検査」です。

使用している方も多いのではないでしょうか。

 

上田式12段階片麻痺機能検査は、評価項目の多さと、グレード判定方法が煩雑であり、学校や実習で習って知っているけれど、使用には抵抗があるという方も多いのではないでしょうか。

私は以前、簡単にグレード判定可能なフローチャートもまとめたので、そちらもご覧ください。

colorful-daily.com

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評価基準が明確かつ比較的詳細なため経時評価などでの精度が高く回復の経過が追いやすかったり、天井効果・床効果も少ない印象です。

検査項目も慣れると短時間で済ませることができるため、臨床での使用に適していると個人的には考えています。

各判定における変換早見表を添付したのでご活用下さい。

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(千住秀明『理学療法評価法(理学療法学テキスト)』より引用・改変)