ノコギリをポケットに入れて持ち運べたら!
きっとキャンプの焚き火がもっと快適になるだろうし、休日のDIYなんかももっと身近になるはず…。
今回は、そんな願いを現実にする折り畳み式ノコギリ「conifer cone(コニファーコーン) バタフライソー」のご紹介です。
最近になって改良版の「バタフライソー2」も発売されたので、まだノコギリを持っていないという方は、是非この記事を参考にしてみて下さい!
世界最小・最強に使えるコニファーコーン 「バタフライソー」 レビュー
2021年10月10日に「バタフライソー2」が発売されましたが、私が今回ご紹介するのは最初の型である「バタフライソー」です。
今回はマイナーアップデートとでも言うべき改良なので、そこまで大きな仕様の変更はありませんが、改良点なども加えて記載しながら(※★印で追記しています)レビューしていきますのでご心配なく!
スペックとサイズ感「片手に収まるコンパクトさ」
気になるそのサイズは以下の通り。
- 使用時:縦250mm×横45mm×厚さ15mm
- 折り畳み時:縦135mm×横47mm×厚さ15mm
一般的な成人男性である自分が持つと、ほぼ片手で収まる大きさです。
実際見てみるとかなりコンパクトであることが分かると思います。
一方で、使用時のサイズとしては刃渡りが約11.5cmもあるので、キャンプの焚火の木材確保や簡単なブッシュクラフトなどはもちろんのこと、簡単なDIYであればこれ一本あれば十分事足ります。
例えば建築用の木材を切ったり、本格的なDIYの際にはやや心許ない気もしますが、キャンプなどでの使用を目的としたライトなユーザーである私は、今のところ不便は感じません。
むしろ、この小ささのお陰で細かい操作がしやすいためとても便利です。
持ち手も、手が大きめの成人男性である自分が持っても、多少余裕があるくらいなので、もちろん女性や子供などを含めた万人が使用できるサイズ感となっています。
そして何より畳んだ時に全く荷物にならないため、バイクスタイルの方でも気軽にパッキングして持ち運べるアイテムです。
使い方「サッと取り出して5秒で準備完了」
木製の持ち手部分の下端にある、誤まって開閉するのを防止する固定用のフック(留め具)を外し、木製の持ち手部分を180度回旋させるように開くと、それでもう準備完了です。
持ち手の下端にある固定用のフックは、畳んだ状態でも開いた状態でもロックできるようになっており安全面もしっかり配慮されています。
※★「バタフライソー2」では、この固定用フックが改良され、固定性能がアップしたようです。
ポケットから取り出して、ここまでたったの5秒もあれば、簡単に準備することができます。
デザイン性の高さ「世界一かっこいい見た目」
私が知っている限り、世の中にあるノコギリで一番オシャレだと思います。
なんならブランドのロゴも「まつぼっくり」をイメージしているデザインでとてもカッコいいです。
ブレードは炭素鋼からできており、黒い刃身がとてもスタイリッシュ。
持ち手は無垢の天然木(サクラ材)を使用しており、油の染み込みが良く、オイルステイン用オイルや亜麻仁油などを染み込ませると風合いが増すとのことです。
普通に使っているだけでも味が出てくるので、愛着が湧いてきます。
オピネルのナイフなどでよく見かける持ち手が木製の商品は、オシャレですが、その部分が水に濡れたり湿度が高くなると木が膨張することで折り畳み時にうまく刃をおさめることができなくなるという欠点があります。
しかし、このバタフライソーでは、持ち手の部分を見て頂くと分かりますが、刃が収納される部分はステンレスのフレームで縁取りされているため、木の膨張に関係なく刃をしっかり収納することができます。
※★そしてここで「バタフライソー2」での変更点ですが、まずブレードのデザインが変更され、黒の刀身に、大きめのまつぼっくりのデザインが配置されるようになりました。
※★さらにパッと見た目ではほとんど分かりませんが、持ち手の木材がサクラの天然木から北米産ブラックチェリーに変更されているようです。
切れ味「抜群で文句なし!ストレスなくザクザク切れる」
刃は「高硬炭素鋼ブレード」という職人も使用する材質でできています。
さすがはモノづくり大国ジャパン製の両刃ノコギリであり、その切れ味は申し分ありません。
少し細かく説明すると、両刃は「江戸目」と「茨目」となっています。
どちらも「横挽き」と呼ばれるもので、木目に対して垂直となるように、木の線維を切断していくノコギリ(刃)の種類になります。
一方で他のノコギリに見られる「縦挽き目」とは、ナイフや斧で薪を割るようなイメージで、木目と平行になるように木を縦に切るノコギリ(刃)の種類になります。
「江戸目」とは、下にある写真下方の、先端を四角になるように(この部分を上目と呼びます)ヤスリで成形された刃の形を指します。「江戸目」は鋭角の三角形が並んだ形をしているので、刃が細かく、木を木目とは垂直(横)に切断していくのに適しています。
「茨目」とは、下にある写真上方の、先端が三角形になっている刃の形を指します。加工の方法は「江戸目」と似ていますが、古くより「茨目」は木を斜めに切る時に使用されることが多いようです。
このように、木材の硬さや性質によって使い分けが可能です。
最初はサビ止めのためフッ素コートが被膜されておりやや切れ味が悪く感じますが、使っていく内にフッ素コートが剥がれ、徐々に切れ味が良くなってきます。
焚火などで使用する木材の中では、比較的硬いと言われている広葉樹のアカシアやケヤキであっても、問題なくザクザク切ることができます。
これは初回使用時にアカシアの木を切っているところですが、驚くほどよく切れます。
一般的なノコギリのような「たわみ」が全く無いので、ノコギリを使い慣れていない素人にはかなり使いやすく、そして真っすぐ切りやすいです。
女性でもそれほど苦労せずに木を切ることができると思います!
キャンプや焚火で、焚きつけ用に使うための細かい枝なども、手で折るには力がいるけど大きいノコギリでは扱いづらいし……という時にも大活躍間違いなしです。
焚火用の薪を現地で落木から調達する際にも(生えている木は絶対に切ってはいけません!)、このギア一本あればお好みの長さにカットして切りそろえることができます。
切っている最中にネジが緩んで刃がぐらつくことも今のところありませんし、緩めばレンチで締めればいいことです。
そして炭素鋼のためか全体で110gととても軽い!
ブレードは交換式であり、付け替えブレードも別売りされているので、刃こぼれを気にせずガンガン使えます。
※★新モデルの「2」では、ブレードは旧モデルと同様の高硬炭素鋼ブレードを使用していますが、新しくSSFCという特殊フッ素コーティングを採用しています。これにより刃の滑りがよりスムーズになり、耐久性も若干アップしました。
バタフライソー2の改良点まとめ
基本的な使い方や、刃は茨目と江戸目で大きくは変わりませんが、先述のようにマイナーチェンジされています。
主な変更点は以下の4つです。
- ブレードは同様の高硬炭素鋼ブレードを使用しているが、新しくSSFCという特殊フッ素コーティングを採用しており、刃の滑りがスムーズになり、耐久性もアップした。
- ブレードのデザインが変更され、黒の刀身全面に、まつぼっくりのデザインがあしらわれるようになった。
- 持ち手の木材が北米産ブラックチェリーに変更。
- 誤開閉防止の固定用のフックが改良され、小気味良いクリック感があり、ホールド性能がアップ。
デザインは原型の「バタフライソー」の方が好みですが、機能面は少し良くなっているようなので、この機会に是非購入を検討してみてはいかがでしょうか。
デメリット「ほとんどなし」
結論から言うと、不満に思う点は全くと言っていいほどありません。
強いて言うならお値段がちょっと高めという点くらいです。
ただしキャンプ用品は基本的に高めの値段設定がされており、このスペックとデザイン性であればお値段相応またはそれ以上か個人的には思います。
コニファーコーンとは?
大阪に本社を置くブランドであり、創業は1919年の「田中文金属株式会社」という会社です。
そのルーツは、竈(かまど)や豆炭がストーブの代わりに生活の中心にあった時代。
今から100年以上前から続く伝統技術をベースにした金属加工や、焚き火台などの「火」に関する道具製作を主に行っている会社です。
2011年9月に自社での新たなブランドと、その製品第一号となる焚き火台「パイロマスター」の構想がスタートしました。
デザイナーに家電デザイン業界で知られる和田浩次郎氏を迎え、そこから現在の製品製作の軌道に乗っています。
グッドデザイン賞を受賞した経歴もあるプロのデザイナーが監修しているだけあって、独自のデザイン性の高さにも気を使った才色兼備なアイテムが揃っているブランドです。
ブランドロゴには「松竹梅」の最上位を表す「松」を掲げ、まつぼっくり(英語でコニファーコーン)をあしらっています。
ここからブランド名が来ています。
前述したように、燃焼効率を科学的に集約した焚き火台「パイロマスター」は主力商品です。
他にも「フォールディングトング」や「フォールディングBBQネット」など、折り畳んでコンパクトになることに特化した商品がいくつかあります。
興味がある方は、是非HPをのぞいてみて下さい!