キャンプブームの中、コールマンやモンベルなどのメジャーなブランドとは一線を画す存在感で、ファッションで言うところのドメブラ的なコアな玄人キャンパー向けの製品を取り扱う通称「ガレージブランド」のギアの数々。
今回は、今となっては数多くあるガレージブランドの中でも、人気キャンプ場が沢山あり日本有数の大自然を満喫できる長野県で生まれたガレージブランドを6つご紹介していきます。
ガレージブランドとは?
「ガレージ=Garage」は日本語では「車庫」などと表現されることが多いですが、アメリカの文化ではこのガレージは、愛車のメンテナンスをしたりするだけでなく、PC作業をしたり、コレクションを飾ったりと、日本で言うところの「作業場」のように使用される場所でもあります。
ガレージでの作業を原点として成長した企業も多く、現在ではビッグカンパニーとなった「Apple」や「Google」などのGAFAも最初はガレージでの作業から出発したと言われています。
そんなガレージのような限られたスペースにおいて小規模・小ロットでの商品展開をするブランドのことをガレージブランドと呼びます。
製品開発に対してはこだわり抜かれたコンセプトを持っていることが多く、独創的なデザインや機能性を持ついわゆるマイナーな開発物(ギア)に対して、人と同じものを持ちたくないという良い意味での捻くれ屋さんたちの所有欲を満たすとして人気を博しています。
日本の代表的なガレージブランドには「Neru Design Works(ネルデザインワークス)」「Asimocrafts(アシモクラフツ)」「DEVISE WORKS(デバイスワークス)」「Sanzoku mountain(サンゾクマウンテン)」などがあります。
長野県発のガレージブランド7選!
ZANE ARTS(ゼインアーツ)
もはや全国的に大人気の有名テント「ZEKU(ゼクー)」や「ROGA-4(ロガ)」を作っている長野県松本市発のブランド。
「芸術都市」であり「学都」である松本市を代表するかのように、そのギアは藝術と機能の両立をコンセプトとしており、大自然に溶け込みつつも景観を損ねることのない、まさにアートなオシャレで使いやすいものばかり。
上記のテントをアイコンとして独特なフォルムのギアが人気で、今大注目のガレージブランドです。
代表の小杉敬氏は「A&Fカントリー」の自社ブランド「SABBATICAL(サバティカル)」のテントのデザインも担当されており、その由縁もあってA&Fカントリーをはじめとした全国のアウトドアショップで比較的手に入れやすいブランドです。
⬇︎「ROGA-4(ロガ)」…室内高170cm、最大幅300cmのちょうど良いサイズ感の2ルームテント。ブリッジフレームで風にも強く、リップストップ生地にスカート付きという申し分なさ。人気すぎるのがたまにキズ。
⬇︎「ZEKU-M(ゼクー)」…ブランドオーナーの小杉敬氏のお家芸とでも言うべきフレームワークが存分に生かされたワンポールテントで、エクステンションフレームを用いることで側壁を立ち上げ、ワンポール特有の窮屈さを解消しています。
➡︎ ZANE ARTS
WINDY AND RAINY(ウインディアンドレイニー)
元々グラフィックデザイナーをしていた代表の木下氏が東京から八ヶ岳の麓にその拠点を移し、2017年に長野県原村で立ち上げたブランド。
夜空や星、山などを最大限楽しめるようなシンプルさを保ちながらも機能的にもデザイン的にも洗練されており、他方では絵本からこぼれ落ちたような遊び心も楽しめるギアの数々。
ブランドのフラッグシップギアであり第1号製作品である「スターライトタープ」をはじめ、即完売の人気商品ばかりなのでチャンスがあれば即購入が鉄則です。
⬇︎「STAR LIGHT TARP」…10枚の生地パーツで構成された美しいフォルムのタープ。曇り空でも見上げれば頭上に星を発見できます。完全防水ではないので雨に弱い場面があるのは注意。
⬇︎「COVER 250 / 500」…八ヶ岳の山並みをモチーフにしたOD缶カバーです。OD感の色によって星や月の雰囲気が変わるのがポイント!おすすめはやっぱりイワタニPRIMUS(黄色)。
SINANO WORKS(シナノワークス)
長野県佐久市を拠点とし、プロ向けのスキー・トレッキングポールや、医療分野でも使用されるウォーキングポールなどを取り扱う、ポール業界における国内トップブランドの1つ「SINANO(シナノ)」が、2021年3月1日にアウトドア事業に着手し、独自ブランドとして立ち上げたのがこのガレージブランドです。
「ジブンをトキハナテ」というコンセプトの下に製品開発を行っており、自然の中で遊ぶことを手助けしてくれます。
まだ製品数は少ないですが、火吹き棒やハンガーラック、黒酸化発色加工によるブラックトングなど、ウォーキングポール開発で培われた金属加工の技術によって裏打ちされたギアの、その機能性や品質の高さは日本トップレベルです。
⬇︎ 「FIRE BLASTER ARTISAN / ASOBI」…コンパクトになるこだわりのつまった火吹き棒です。焚き火へ普通にフーッと息を吹きかけるよりも、約3.3倍の流速で吹けるらしい。
⬇︎「SNIPE HANGER」…トレッキングポールの技術がまさに転用されており、ポールの精度だけで言えばミニマルワークスを凌駕するでしょう。
➡︎ SINANO WORKS シナノワークス | 株式会社シナノのアウトドアブランド
FUTURE FOX(フューチャーフォックス)
キツネのロゴマークが特徴的な松川町の吉地氏を代表とするガレージブランド。
スタッキングしやすく抜けにくい「キツツキペグ」や、CB缶への輻射熱を防ぎながらテーブルとしても使用できるプレート「遮熱テーブル」など、痒いところに手が届くような、誰も見たことがない製品作りをモットーとしており、これまでにテントを始めとして小物に至るまで幅広い製品開発と販売を行っています。
年間30種類ものギアを開発するなど、市場におけるスピード感も一線を画し、国内を代表するブランドに成長するのもそう遠くはないかと思われます。
⬇︎「パップテント FOX-BASE」…ベースキャンプやアジトを思わせる、似たようなテントは色々なブランドから販売されていますが、被りたくない方はこちらをチェック!
⬇︎「Confire 櫓(やぐら)」…炭床がメッシュになった焚き火台。収納時はコンパクトに持ち運ぶことができます!
Re:NASOV(レナソブ)
輸入雑貨を取り扱う株式会社epiceのオリジナルブランドとして、2021年4月に長野市で設立されました。
ブランド名は「Re」+「野遊び」+「nature」+「sovereign」を組み合わせた造語であり、「何度でも野遊びに行きたくなる至高のブランド」というコンセプトを銘打っています。
燕三条の職人の技術を生かした黒酸化発色加工のマットブラックが特徴的な「漆黒シリーズ」には、「シェラカップ」「徳利とおちょこ」「カトラリー」などが揃い踏みで、大人のためのガレージブランドとしてシックな見た目で機能的な製品を開発・販売しています。
⬇︎「漆黒シリーズ」…よくある白金色(シルバー)のギアとは対極をなすように、黒酸化発色加工を施したシェラカップ、タンブラー、トング、ぐいのみなどがラインナップ。
⬇︎「WASEIRO(和せいろ)15cm」…裏木曽の曲げわっぱ職人特注のシェラカップサイズのせいろ。キャンプで出来立てホヤホヤ、いやホカホカの肉まんなどが食べられます!
➡︎ Re:NASOV
Libelle(リベル)
長野県駒ヶ根市にある「株式会社ヨウホク」のアウトドアラインのブランドです。昭和26年創業以来、金属加工を中心とした製品づくりを得意とし、ペレットストーブやリアカーなどが主力製品となっています。
長年の加工技術を活かし、完成度の高い独創的な「焚き火台」や「鉄板」などを取り扱っています。
⬇︎「鉄籠(てつろう)」…スウェーデントーチのように上下に燃え広がるタイプの焚き火台で、刃のパーツを設置すればハンズフリーの薪割り台にもなります。バベルの斜塔は約3.97度傾いていると言いますが、こちらは10度の傾斜が設けられており、見た目以外にも使いやすさを追求しています。
⬇︎「極厚鉄板 小鉄」…17.5cm正方の6mm厚鉄板。フチがあるので油はこぼれにくく、仕上がりは最高峰のプレス加工技術に裏打ちされたモノ!じっくりステーキを焼くのに最適なつくりになっています!
FIRESIDE(ファイヤーサイド)
「キンドリングクラッカー」や「コッパーケトル」などの名作を携える超大手ブランドは、こちらも長野県駒ヶ根市に所在しています。アメリカ出身のポール・キャスナー氏が1987年に設立しました。
国内における一般家庭の薪ストーブ普及のパイオニアとして、焚火に寄り添う空間づくりのためのアイテムが揃っています。
駒ヶ根市街から西へ丘を登っていくと、住宅地の奥に倉庫のような本社と直営店がありますが、照明が少し落とされたショップ内には所狭しと厳選された焚き火や薪ストーブのアイテムが置かれており、実際に店舗に行ってその温かさに触れてみるのも良いですよ!
⬇︎「キンドリングクラッカー」…ファイヤーサイドといえばこれ!薪割りが驚くほどラクになります。
⬇︎「グランマーコッパーケトル」…熱伝導の良い銅でできたケトル。色合いも含めて火の傍らに鎮座すべき最高のアイテム。
➡︎ FIRESIDE | 薪ストーブと焚き火で楽しむ火のある暮らし
いかがでしたか?長野県には個性的なガレージブランドがたくさん!
アルプスの山々に囲まれ、ふんだんな大自然と美味しい空気や水、そしてスウィートグラスや駒出池など中部地方を代表するキャンプ場がある長野県には、その風土で培われた魅力が沢山あります。
そしてそこで生を得たガレージブランドにも他には無い魅力が沢山ありました。
あなたの地元にも、もしかしたらとんでもなくオシャレなガレージブランドさんがあるかもしれませんよ!