キャンプにスコップなんて要る?
実は、雨天でのテント周りの水路作りや、冬季で雪に見舞われてしまった時の雪除去、さらにはブッシュクラフトスタイルでの焚き火などで使えるのが「アウトドア用スコップ」です。
オススメ5選と、その中でも代表的な「MULTICRAFT」のスコップについてレビューしていきます。
キャンプで使えるスコップ・シャベルのオススメBEST5!
スコップなの?シャベルなの?
JIS規格では足をかける場所があるものを「シャベル」、無い物を「スコップ」と呼ぶそうです。
また関東や関西によっても異なる呼び方をするようです。
人によってイメージは変わると思いますが、今回は「スコップ」と大きく括ってご紹介していきます。
キャンプに「スコップ・シャベル」っていつ使うの?
シーン1:悪天候での水路掘り、雪かき
キャンプではスコップが無くてもテントは張れますし、焚き火をすることもできます。
ではキャンプでスコップをいつ使うのか、それは主に「天候が悪い時」です。
例えば、雨天の際にテントや自身のエリアが水没しないように、テントの周囲に雨水の流れを誘導するための水路を掘ったり、雪が降ったら積もった雪をどかすのに使用したりできます。
地面を掘った場合は、原状復帰が基本ですので元の状態に土を戻してから帰りましょう。またキャンプ場によっては地面を掘ったりする行為が禁止されていることがあるので心配なら問い合わせてみる必要はあります。
シーン2:緊急時(雪道からの脱出、砂地、車からの脱出など)
さらに意外と「緊急事態」の時に重宝する場面が多いです。
これはちょっとしたエピソードですが、私は冬季でキャンプをした際、帰り道で車が雪の轍にはまって(スタックして)しまい抜け出せなくなったことがあります。その際にも持っていたアウトドアスコップでタイヤ周りの雪をどかしたり氷を砕いたりして抜け出すことができたという経験があります。
雪道だけでなく、砂地でスタックしてしまった場合に地面を掘ることもできますし、本当にまれな事例ですが自動車が雪や洪水などで埋もれてしまった場合にウインドウハンマーとして窓ガラスを砕くのに使用したりもできます。
こういった不測の事態に備えて、持っておくと良いです。
シーン3:直火での焚き火
ブッシュクラフトスタイルの方々が好む野営キャンプや、キャンプ場によっては直火OKの場所などもありますが、そういった場面で直火で焚き火をする際に、地面を掘って穴を作り、その中で焚き火を楽しむ方もいるようです。
シーン4:灰の処理
焚き火やBBQ後の灰は、キャンプ場にいれば設置された灰捨て場に片付ける必要がありますが、自宅でのBBQなどでは片付けに困ったことがあるかと思います。
そんな時におススメの処理方法が、しっかり熱が冷めた後に庭の地面に埋めてしまうというもの。
この時にもスコップがあると簡単に処理できます。
基本的にはスコップが無くてもアウトドア活動は行えますが、こういった様々な使い方ができるので、もしもの時のために準備しておいても良いかもしれません。
どんなものがオススメ? 【選び方】
形状
土を掘ったりするには先端が三角形になっているものがオススメ。
雪かきや炭の処理をしやすいのは四角になっている角型です。
冬季に使用しないのであれば、先端が三角になっているタイプの物を手にしておくのが無難でしょう。
また折りたたみタイプなんかではよく見かける、スコップの反対側にツルハシやクワ部分がついていて、マルチWAYで使用できるものを選ぶのもオススメです。
折り畳めるかどうか
持ち手部分が折り畳めるタイプのアウトドアスコップが主流です。
畑仕事で使うような折り畳めない構造のものは耐久性が高く、持ち手が長いことが多いので使いやすいですが、一方で持ち運びがしやすく、しかも使用頻度がそこまで高くないという点を考えると、折り畳めるタイプのスコップが良いと思われます。
実際にどんなものがあるの?
① 折りたたみスコップ / MULTICRAFT
3つ折りに折りたためるアウトドア用スコップです。
サイズはやや小さめですが、必要十分な機能性で、いざという時に重宝します。
「スコップ」の他に、「ツルハシ」や「クワ」としても使用することができる3WAY仕様で、地面をほぐしたり、雪や氷を砕いたりする時にも便利です。
アウトドア用スコップとして1つ持っておくなら、このタイプのものが最もオススメです!
この記事の後半で詳細にレビューしています。
② スチールフォールディングスコップ / CAPTAIN STAG
MULTICRAFTのスコップとほとんど同様の機能性ですが、こちらは「ツルハシ」部分が無く、コクワガタのツノみたいな出っ張りがあるのみです。
この形状であるメリットは「軽量化」と「価格の安さ」が実現できていることです。ツルハシが無い分、少しでも軽量化を図ることができ、さらにコストも抑えられています。
ツルハシのメリットである「崩す」「ほぐす」「砕く」という機能は差し引かれていますが、「クワ」として使うことはできる2WAY仕様なので、それらの機能をある程度は補完することができます。
耐久性は他社製品と同等ですが、大手のブランドという安心感もあります。
最低限の機能をできるだけ安く、しかも軽量なスコップを手に入れたいという方にはオススメです。
③ LOGOS the ショベル / LOGOS
折りたたみではなく、タープポールのようにいくつかのパーツをつなぎ合わせることでスコップにして使用します。
このタイプのスコップは特に長軸のサイズが大きいのが特徴で、このLOGOSのアイテムも全体のサイズが77cmとやや大き目です。
大きいことで屈まずに使用でき、畑仕事でよく使うスコップと同等の使い勝手の良さになりますし、雪かきなどにも便利です。
また他のものと同様に、スコップ部分を90度の位置で固定すると「クワ」としても使用することができます。
④ ガーデンスクープ / BAREBONES
移植ゴテとも呼べる手持ちサイズの小型スコップです。
こういったタイプのスコップは、主に家庭菜園を目的に作られているものですが、ちょっとした地面を掘る際にはキャンプでも活用できます。
BAREBONES製ということもあってデザインも秀逸で、小型スコップ系の中では最もオシャレなものだと思います。
大きめのシャベルもあります⬇︎
⑤ シンプルなスコップ
折りたたみができないシンプルなよく見るタイプのスコップです。
持ち運びやすさは皆無ですが、耐久性の高さと使いやすさは一番のポイントです。
「MULTICRAFT」のスコップ【レビュー】
スペック
- 使用時サイズ:長さ575×幅145×厚さ53mm
- 収納サイズ:長さ245×幅145×厚さ63mm
- 重量:1.1kg
- 材質:スチール、表面塗装
- 専用収納袋が付属
500mlのペットボトルを2本並べたのと同じくらいのサイズ感です。
使い方(広げ方・しまい方)
まず収納ケースから取り出すと、きれいに折り畳まれている状態で出てきます。
スコップ部分の根元にある「固定用ネジ」が緩んでいなければ緩め、ハンドル(持ち手)部分をスコップの長軸方向に広げます。
その後、三角形の板のようなスコップ部分を持ち上げて広げます。
最後に、先ほど緩んでいるか確認した「固定用ネジ」をクルクル回して締めれば、組み立ては完成です。
また、スコップ部分を180度展開せず、スコップとツノのような部分がそれぞれ反対方向になるように、持ち手部分の長軸から90度の位置で固定すると「ツルハシ」や「クワ」としても使用できます。
このように、このタイプのアウトドアスコップでは「スコップ」「ツルハシ」「クワ」などマルチWAYで使用することができるものが多いです。
さらにもう1つ別の形態として、今度はツルハシの部分が持ち手部分と一直線上となるように固定すれば、突き刺すことをメインとする「槍」のような形態にもなります。
先ほどの「ツルハシ」形態だと、持ち手の三角形の面がツルハシを振り下ろす方向とは垂直になってしまうため持ちにくく使いにくいです。そのため道路の氷を砕く際などには、この「槍」形態の方が「ツルハシ」形態よりも力をいれやすくなります。
使い終わって、しまう場合には、最大限に固定用ネジを緩めた後、スコップ・ツルハシ部分を折り畳み、その後にハンドル部分を折り畳むと簡単に小さくすることができます。
オススメポイント
1) コンパクトに収納可能
ペットボトル大のサイズになるため、付属している収納ケースに入れて持ち運べば場所を取らずに持ち運ぶことができます。
使用頻度が少ないからこそ、いざという時にあるとその便利さを余計に感じます。
2) ツルハシが付いている
スコップでさえあまり使わなそうなのに、さらにツルハシなんてもっと使わないよと考える方が多いかと思いますが、先述の雪道の轍で車が滑ってしまって抜け出せなくなった時の私のように、いざという時に役に立つかもしれません。
もちろんスコップ部分もかなり頑丈なため、スコップの先端で氷をガンガン削り、雪を掘ってどかすこともできましたが、ツルハシがあることで氷の部分に関しては、より削りやすかったです。
他にも、例えば柔らかいペグしか持っておらず、硬い地面などでペグが刺さらない時にはツルハシで少し地面をほぐしてからペグを打ち込んだりもできますし、テントを立てようと検討しているキャンプサイトをスコップとツルハシを駆使して平らに均らすこともできちゃいます。
3) 耐久性が高い
用途が固いものを対象としていることもあり、スコップの先端などの塗装に関しては思いのほか簡単に剥げてしまいます。
しかし今までも割とハードな使い方を何度かしてきたにも関わらず、その内側のスチール部分はほとんど削れたり変形したりすることもなく耐久性はかなり高いかと思われます。
4) 踏み込みができるような細かいディティール
スコップの三角形の底辺部分には、靴で踏み込みながら掘る動作がしやすいように折り返し加工が施されています。
この部分を足で押し込みながら地面を掘ることで、スコップ自体のサイズが小さいことによる地面の堀りにくさが多少なりとも中和され、力を込めやすくなっています。
こういった細かい部分への配慮は、使い勝手の面では大きな違いになってきます。
マイナスポイント
1) 固定用のネジが回しにくい
折り畳んだ際、固定用のネジは背面がすぐにスコップ部分と接してしまうため、実際に触れて回すことができる部分が少ないです。
ですので、固定する際には力が入れにくく、逆に固く締めすぎてしまうと今度は緩めにくくなってしまいます。
2) 少しガタつく
折りたたみということで、どれだけ強めに固定しても多少のガタつきはあります。
これに関しては折り畳めないタイプのスコップに勝ることはありませんが、持ち運びやすさを考慮すれば、この程度のガタつきは個人的には目を瞑れる範囲内だと思いました。