キャンプで料理をする時、特にご飯を炊く時に活躍するのが「メスティン」。その中でも世界的に最も有名なのが、スウェーデンのアウトドアブランド「Trangia(トランギア)」社の一品!
トランギアの通常サイズのメスティン(TR-210)をレビューをしながら、初心者でも失敗せず簡単にご飯を炊く方法の説明をしていきます!
Trangia(トランギア)のメスティンで美味しいご飯を! 【レビュー】
【ディティール】 Trangia(トランギア)のメスティン
北欧の大国スウェーデンらしい、ナチュラルカラーのパッケージを開けると、環境保全を謳うだけあって梱包用のビニールの袋など一切なく、いきなりメスティンとご対面。
材質は無垢アルミ材であり、熱伝導効率が良く全体が均一に温まることで調理がしやすくなっています。アルミが故の軽量化も実現されています!
持ち手(ハンドル)は熱くならないように樹脂でカバーされています。この手のクッカーでよくあるシリコン製ではないため、火に強く劣化もしにくいのでとても使いやすい!
また細かい部分に美しいブランドロゴが入っている、こういったオトコゴコロをくすぐるポイントも、有名なブランドのギアならではです。
最近は100均でも同様のメスティンが販売されていますが、長期的に使用していくのであれば、信頼性のあるブランドのものを購入した方が絶対に良いと考えます。
ブランドバッグのレザーが、使えば使うほどに他のファストファッションブランドのものとは異なる変化をするように、長年使用することになるアウトドアのギアは、使い込むごとにキズや煤が付着することで、徐々に味や個性が出てきます。
そういった経年変化がしっかりと楽しめるのは100均の製品ではなく、歴史のあるブランドのギアだけです!
【スペック】 サイズは2つ! オススメは通常サイズ
ソロまたは少人数でも使いやすいのは「通常サイズ(TR-210)」メスティン。
他に、大きい規格の「ラージメスティン(TR-209)」があります。
スペックの違いは以下のとおり⬇︎
通常サイズ (TR-230) | ラージサイズ (TR-209) | |
サイズ | 幅17×奥行き9.5 ×高さ6.2cm | 幅20.7×奥行き13.5 ×高さ7cm |
重量 | 150g | 270g |
容量 | 750ml | 1350ml |
炊飯の目安 | 1.8合まで | 3.5合まで |
持ち手(ハンドル)部分はどちらもリムーバブル(付け替え可能)となっており、ハンドルカバーはブラック以外にも赤色の持ち手が別売りされています。カバーは樹脂なので、シリコンのようにテカテカしたものではなく、黒であれば墨黒、赤であれば紅色のようなマットなカラーリングがポイントです。
ちなみに皆さんは「ご飯1合」と聞いて、パッとその量が思い浮かびますか??
おそらく皆さんが想像するよりも「多い」と思います。
キャンプともなればお酒を飲みますし、ご飯の他にも食べる物を沢山用意すると思うので、ご飯自体はそんなに多くなくても良いという方が多いハズ。
私も普段ソロ~4人位でキャンプをすることが多いのですが、「普通サイズ」で全く問題ないことが多いです。
例えばすごく育ち盛りのお子さんがいたり、お腹いっぱいどうしてもご飯を食べたいという場合以外には、通常サイズで事足りると私は考えています。あとは料理の種類によって、米を多用する料理を作る際には「ラージメスティン」を検討してみても良いかもしれません。
大きいギアはかさ張りますしね。
初心者でも失敗しないメスティンでの「半自動炊飯」
今回ご紹介する炊飯方法の条件
- 通常サイズのメスティンを使用
- お米の量は1合
- 「Esbitなどのポケットストーブ」と「100均などで手に入る固形燃料」を使用
火を点ける前の準備
まずお米の準備をする前に、バリ(金属加工の過程で発生した突起や鋭くなっている部分)を紙ヤスリなどで削ります。
トランギアの製品は丁寧に作られているため、それほど神経質に削る必要はないかと思いますが、蓋の脱着もしやすくなるので、軽くヤスリがけします。
この時、300~400番前後の粗めの紙ヤスリから始め、1000番、2000番とさらに細かい紙ヤスリで削りをかけていくとツルツルに仕上がります。
紙ヤスリは水に濡らした状態で使用しましょう。
その後、いつも通り普通にお米を洗って水を入れます。
米1合で調理する場合、180mlの水を測って入れる必要があるのですが、この時に水の量を測るとても分かりやすい目安があります。
内壁を見ると、持ち手(ハンドル)の接合部に目みたいな「2つの丸」があります。
米1合を入れた状態で、この丸突起の中央に水面が重なるように水を入れると、ちょうど水の量が180mlになります。
これは覚えておくととても便利です。
水を入れたら、メスティンは蓋をして、このまま30分程度、お米を水に浸しておきます。
お米に水をしっかり吸収させることで芯が残りにくくなり、焦げ付きの予防にもなりますので、大切な作業です。サボらずにやりましょう。
今回、「Esbit(エスビット)」などのポケットストーブを使って米を炊飯していきます。
一応、「自動炊飯」といって、火にかければ後はほったらかしで米が炊き上がるという方法の端くれでもありますが、今回行う炊飯方法は、途中でメスティンに当たる火の位置をズラす作業を必要とするため、厳密には完全なる自動炊飯の方法ではありません(「半」自動炊飯とでも言いましょう)。
お米を浸している間に、Esbitのポケットストーブと固形燃料を準備しておきます。
固形燃料は、溶けた後の片付けを簡略化するため、お弁当でよく使うアルミカップなどに入れて使用すると良いです。
Esbitは「ハの字」に開いた状態で使用するのも良いですが、熱が集中してしまい、メスティンの形状上、端の方に熱が伝わりにくくなりメスティン内部で温度差ができやすくなってしまうため、炎が幅広く伝わるように私は写真のように「垂直」に開いて使用しています。
ただし、「垂直」に開いて使用する場合、周りからの風に対して火が揺らぎやすくなるため、「風防・風よけ」はあった方が良いかもしれません。
着火後のあれこれ
米を浸水させて30分経ったら、着火をしていきます。
ここでポイント。
メスティンの長方形をザックリ3等分し、写真から見て「左・中央・右」のそれぞれの部位をまず2~3分程度ずつ熱します。
そうすると概ね全体的に水の温度が上昇するので、そうなったら一度蓋を開けて、箸などでメスティンの中にある米をグルグルかき混ぜます。
こうすることで、メスティン内部の温度を均一にします。
この操作を行ったら、フタを再度閉めて、あとは熱する部分が偏らないように、先ほど3等分した「左・中央・右」のそれぞれの位置に、火が順番に当たるようにズラしていきます。
時間としては3分程度ずつで次の場所にズラします。
2週目あたりから水が少し吹きこぼれてきますが、構わず炊き上げます。
この作業を続け、米をかきまぜて再度フタを閉めた後から合計で20分程度炊けば完成です。
火力のコントロールについてですが、私が使用した際には、火力はいじらず、固形燃料が燃えるがままに燃焼させていたため、強~弱火へと徐々に弱くなっていきました。
中火で炊くというのがベストですが、その状態でも強く焦げ付くこともなく炊けていたため、火力に関しては特に調節する必要はないと思います。
20分炊き上げたら、水蒸気として蓋についている水分を全体に行き渡らせるため、メスティンを裏返しにして10分程度蒸らします。
フタを開ければ、きっと美味しいご飯が炊けているハズです。
私は今まで何度か焦げ付かせてしまったことがありましたが、この方法が最も成功率が高く、特に芯が残ることも無い美味しいお米にありつける方法です。
是非お試しあれ!
同時購入でさらにメスティンが使いやすくなるギア・アイテム達
トランギアのメスティンのスペックを最大限に活用したいのであれば、是非手に入れたいオプションアイテムも沢山あります。
純正のカッコいいケースに収納して持ち運べば、使う楽しみが増えます。
メスティンにシンデレラフィットでパッキングできるマルチボードもあります。
また、今回はご飯を炊くことにスポットを当てていますが、メスティンはアルミ製のクッカーでもあるため炒め料理や煮物はもちろんのこと、蒸し料理や燻製などにも使用することができます。
そんな時に活躍してくれるメッシュトレイなどもあります。
最高のギアで美味しいご飯を炊いて、お腹も心も満たせるアウトドアライフを!