火を載せるその姿はまるで地上の太陽、いや鏡面を見ればまるで月のようでもあります。
日本最大手ブランドのコールマンから、シンプルかつ機能的な焚火台「ファイアーディスク」のご紹介をします!
Coleman 「ファイアーディスク」 【キャンプサイトに煌めく地上の満月】
ディティール
UFOのような円盤型の焚き火台です。購入時点ではツルピカの鏡面仕上げとなっており、大自然や青空をそれはそれは綺麗に反射します。夜であればまるで地上の満月のように揺らめく火でキャンプサイトを照らしてくれるでしょう。
専用の焼き網と収納ケースが付属しており、他社の焚き火台のようにオプションで色々揃える必要がありません。
焼き網はディスク本体に3箇所で引っ掛けることができ、網を安定させて使用することができます。
スタンド(脚部)を3箇所広げるだけで設営が完了する簡単設計!
と言っても最近の焚き火台は簡単に設営できるようになっているものがほとんどなので、これは当たり前の標準装備といったところでしょう。
スペック
- 使用サイズ:直径45cm×高さ23cm
- 収納サイズ:直径46cm×厚さ8.5cm
- 重量1.6kg
- 耐荷重:約30kg
- 材質:ステンレス
- 付属品:専用焼き網、収納ケース
「ファイアーディスク」 レビュー
使用感
小枝はもちろんのこと、ホームセンターなどで市販されているような40〜45cmの薪も、短くカットせずにそのまま使用することができます。
さらに公式サイトによる耐荷重は30kgもあるため、かなり多めの薪を積んでも全くグラつかず安定しています。
高さに関しても、炭床となる部分の地面からの高さもそこそこあるので、芝など地面へのダメージも少ないかと思います。(今回は直火サイトだったので下に何も敷いていませんが、それ以外なら万が一のためにもなるべく焚き火シートは敷いた方が良いです。)
平面に近いような絶妙な角度の曲線を描いているので、薪や炭の積み立てもしやすく、さらに空気を取り込みやすいので燃焼効率もかなり良い焚き火台であると感じました。
どの角度からもアプローチできるので、薪や炭の操作ももちろんしやすいです。
専用の焼き網を使って調理をしてみましたが、網もかなり広さがあるので一気にたくさんの食材が調理できて良かったです。網も本体に固定できるので、焼いている食材の操作によって網がグラつく様子は見られずとても安定しています。
火力も申し分なく、スキレットやダッチオーブンも問題なく使用できます。ただし、後述しますが焼き網と熱源との距離が近づきすぎるので、むしろ火力が強くなりすぎてしまうという問題が発生しやすいかと思います。
使用中もスタンド部分は熱くなりにくいので、風向きや天候などで位置を変えたい時にも修正がしやすいです(もちろんヤケドには十分注意して!)。
焚き火終了後、今回使用した炭が火持ちの良いオガ備長炭だったためか、思ったよりは灰が溜まる感じはなかったです。
下の写真で、4〜5時間ほど焚き火とBBQを楽しんだ後の灰(と、まだ燃焼し切っていない炭)の量です。2、3回少量ずつ炭の継ぎ足しは行いました。
使用後も本体には全く変形が見られませんでした。Amazonのレビューでは5回目の使用でも全く変形しなかったとの報告もありました。きちんとケアしながら使えば、長く使っていける焚き火台だと思います。
ただし、少し設計面で不安に感じたのがスタンド(脚部)との接合部分です。下の写真で黄色に囲んだ3箇所の部分がスタンドとの接合部なのですが、焚き火の際に最も熱される部分になってしまっています。
超高熱になる炭などに熱されることにより熱変形が起きて、スタンドの開閉や本体との接合に支障が出てこないか少し不安感を抱きました。
オススメポイント
シンプルかつ秀逸なデザイン
良い意味でColemanっぽくないというか、単純に見た目がかっこいいです。
鏡面仕上げに関しても、楽しめるのはおそらく最初だけですがお洒落でポイント高いです。
所有欲を満たしてくれるような不思議な満足感があります。これって重要ですよね。
灰が捨てやすい
一枚のステンレス板材から作られているので、言ってしまえばお皿のように、このまま灰捨て場まで持っていって灰を捨てることができます。
また、焚き火台によっては、台の上に厚手のアルミホイルなどをあらかじめ敷いておき、その上で焚き火をすることで片付けは灰が乗ったアルミホイルだけを灰捨て場に持っていくという工夫ができるのですが、「ファイアーディスク」はシンプルな構造なので、そういったアルミホイルなどをあらかじめ敷いておきやすく、片付けが楽になる工夫もしやすいのがポイントです。綺麗な鏡面を末長く保つこともできちゃいます。
収納ケースが付属している
数ある焚き火台の中でも、ツートップとして不動の地位を築きつつあるsnow peak「焚火台」とUNIFLAME「ファイアグリル」は、どちらも収納ケースが付属していません。
一方でColeman「ファイアーディスク」にはしっかり収納袋が付属しているので持ち運びに困りません。買ってみて気付く地味に嬉しいポイントかと思います!
しかもシンプルな白ロゴでそこそこお洒落なデザインなので、他のギアとの相性も良いかと思います。
残念なポイント
正直、焚き火台としては必要十分な機能を果たしており、かなりオススメな製品なんですが、それでもちょっとイマイチかな…と感じた点もあるのでご紹介します。
風の影響を受けやすい
焚き火台の炉部分の深さが7〜8cm程度であり、しかも外側に向かって浅くなっている構造なので、空気を取り込んで燃焼効率が良い反面、強風時などは風の影響を受けやすくなってしまいます。
風に煽られて火の粉が飛んだり、周囲のものに延焼したり、火が強くなりすぎてしまわないように、風防板など風除けになるものを持っておき、風が気になる時には使用すると良いでしょう。
ただし、焚き火全般に言えることですが、風が強い時には安全のために焚き火をしない選択を採るのが最も大切です。
焼き網の変形がある
円形による構造上の問題なのか、素材の問題なのか、それほど重いモノを載せていないのにBBQで使用後には網が少し変形していました。ちょうど熱されていた中央部分が下方に下がるように変形しているので、熱源が近すぎることで温度変化が急激に起きてしまったからだと思われます。
気にしすぎと言えばそうなのですが、もしかしたら網の耐久性は低めかもしれません。
網は単品で別売りされていないので、気休め程度かもしれませんが、使用前にバーナーで炙っておくなど、できるだけ大切に使った方が良いかもしれません。
MORIKAWAというブランドからは専用設計の「鉄板」もあるので、網の変形が気になる方はそちらを検討してみても良いかもしれません!
炭の使い方に気を遣う
BBQなどで焼き網を使用する場合、炭が灰となり、その灰が溜まってきて量が多くなると、焼き網の下のスペースが無くなってしまうので、燃焼効率が悪くなり、そもそも炭の継ぎ足しができなくなってしまいます。
ホームセンターなどで販売されているマングローブ炭は安価で手に入れやすいですが、そういった事態を避けるため、なるべく灰の量が少ない備長炭などを使用した方がストレスなく焚き火や調理を楽しむことができると思います。
網の高さが低い
他のレビュー記事でもよく言われているポイントですが、焼き網の設置位置が低いので、炭で調理する場合には食材のわずか数cm下に熱源が存在することとなり、食材は常に強火にさらされることになります。
焚き火だけなら焼き網を使用しないのでまだ良いですが、特に細かな火力調節を必要とするような調理では困ってしまいます。
問題の焼き網の低さをどうする…?
①こまめに焼き加減を確認する
荷物を増やしたくない場合には、網の低さを受け入れ、こまめに焼き加減を確認しながら焦げたり生焼けになったりしないように注意して調理するのが1つの手です。
②五徳(ゴトク)を使う
残念ながらColeman純正の嵩上げオプションパーツは販売されていません。
しかしながらサードパーティーである他ブランドから、専用の五徳(ゴトク)が発売されていました!
専用に作られているのでサイズもピッタリであり、見た目もよく、薪の継ぎ足しがしやすくなるなどメリットが沢山あります。
他にも、Belmontなどの直火で使用できるような五徳を使うのもオススメですし、自分のスタイルに合ったモノを探してみるのも面白いかもしれません。
ベルモントなら「ワイド・Low」のサイズ感が良いかと思います。
さらに他社からは色々と工夫された嵩上げパーツなども販売されているため、そちらを使用するのも良いでしょう。この場合は低価格のものが多いのでそれもポイント。
あると便利な+αのグッズ
ファイアーディスクソロ
ところで「ファイアーディスク」にはソロキャンパーや少人数向けの小さいサイズ規格(直径30cm)の同製品が存在します。
これをもう一台持っておけば、焼き鳥などじっくり調理したい料理がある場合に、大きいサイズとは別の熱源で火力調整しやすくなります。
その上、「ファイアーディスク」の大きいサイズで焚き火やBBQを楽しんだ後、小さいサイズのものを上から被せることで酸欠状態を作り出すことができ、簡易的な火消し壺の代わりを果たすこともできて一石二鳥です。