冬の暖房に湯たんぽのすゝめ。
コンパクトながら朝まで温かさをキープしてくれる「miniまる」をご紹介します!同じく有名な「マルカ」の湯たんとの比較や、電気毛布などの暖房器具に比べて湯たんぽは経済的なのか?という点も絡めつつレビューしていきます!
湯たんぽ「miniまる」とは?
「miniまる」とは、溶融亜鉛メッキ鋼板(トタン)で作られた「湯たんぽ」です!
一般的に使われているプラスチックや樹脂の湯たんぽとは違い、金属製なので直接火にかけて温めることができるという、キャンプにはもってこいのアイテムなのです!
「miniまる」は、創業80年を誇る大阪の老舗メーカー土井金属化成株式会社が展開するアイテム。土井金属化成では、亜鉛鉄板の板金からはじまり、金属加工技術の粋をふんだんに用いた完成度の高い製品を取り扱っています。菱形にSの字が描かれた「ヒシエス印」がトレードマーク!見かけたらチェックしてみましょう!
スペック
サイズ | 直径20.5cm×高さ6.4cm |
容量 | 約1.2L |
重量 | 485g |
材質 | <本体>溶融亜鉛メッキ鋼板 <口金>真鍮 <パッキン>ゴム |
特記事項 | ミニじょうごが付属 ケースは付属しません |
「トタン」とは、薄い鋼板に亜鉛メッキをして耐食性を持たせたもの。
デジタル大辞泉
大きさは500mlペットボトルやミニサイズの瓶ビールと同じくらいです!
厚みも500mlペットボトルと同じくらいであり、意外と持ち運びの場所をとりません!
ディティール
シンプルイズベストな無駄のないデザイン!丸っとしたフォルムがとっても可愛いです!
筆者はもう、見た目だけで買うのを決めました!(笑)
しかも、くすんだシルバーがかなり渋い!昭和っぽさを感じるどこかレトロで、可愛いだけでなく玄人が持つアイテムのような、雰囲気たっぷりの逸品です。
裏面は平坦になっており、さらに溝が刻まれているので、ガスバーナーやストーブなどで熱する際に滑りにくくなっています!
湯たんぽの内部は、内圧の変化で潰れないように支柱が設置されています。
口金(フタ)は、裏から見るとバネで固定されているのが分かります。
その出っ張った部分を押すと、表面にある丸い部分が持ち上がります。
なぜこのような構造になっているのかというと、「miniまる」をはじめとした金属製の湯たんぽを直接加熱する場合、必ずフタを外してからでないと湯たんぽの内圧が上がることで破裂する危険性があるのですが、誤ってフタをしたまま加熱してしまった場合にも空気が逃げて圧が低下するような安全装置として機能させるためです。
写真をよく見てください。この持ち上がる部分にもパッキンが設置されていることが分かります。後述しますが、これはただ製品の仕上げが細かいだけでなく、地味にすごいメリットがあるのです…。
使い方
①沸かしたお湯を注いで使用する
②水を入れてから直火で加熱して使用する
注ぎやすくするため、ミニじょうごが付属しています!
じょうごが無くてもそんなに問題ないので、筆者は使っていませんが…。
①沸かしたお湯を注いで使用する
プラスチックの普通の湯たんぽと同じように使いましょう!
②水を入れてから直火で加熱して使用する
「miniまる」最大の特徴が、湯たんぽに水を入れたら、それをガスコンロやバーナーや灯油ストーブに載せて加熱できることです!
直接加熱する場合、水蒸気で内圧が上がって破裂する危険があるので、必ず口金(フタ)を外した状態で加熱するように!
これによりトタンでできた湯たんぽ本体も熱を帯びるため、暖かさがより長続きするようになります。
湯たんぽの下面が平らになっていて溝もあるので、滑りにくく安定しています!
直火で加熱する場合の水の量に関してですが、沸騰するとブクブクして溢れ出してしまうので、最初に水を入れる時には、注ぎ口ギリギリまで水を入れるのではなく、少なめに注ぎ口から8割くらい下の量にしておくと良いです。
これが吹きこぼれを防ぐポイント!
水が沸騰したら、湯たんぽ内が「満水」となるように水を継ぎ足しします。
注ぎ口が斜めについているので、傾けた状態で水を注ぎ、満水になるようにすると良いです。
できるだけ満水に近い状態にしておきましょう! なぜならお湯の温度が冷めた時に、湯たんぽ内部に残っていた水蒸気が液化するとともに内部陰圧になり、最悪湯たんぽがベコっ!と凹みます。
また、持ち上げたり傾けたりする際、湯たんぽ本体がとんでもなく熱くなっているので、素手ではなく必ず手袋やミトンなどをして取り扱うようにして下さい!
いっぱいまで水を入れたら、口金(フタ)を締めて袋に入れて使いましょう!
低温やけど防止のため、公式情報では一応「寝る時は寝具から湯たんぽを出してください」との記載があります。それでは寒くてだめだという方は、低温やけど対策用品や厚手のタオルや布で包んで使いましょう。あくまで自己責任となりますのでご注意を!
低温やけどとは?
体温よりも少し暖かい程度の熱源に、皮膚の同じ部分が長時間接触することで起きるやけどのことです。低温やけどは皮膚の深いところまで到達することがあるので危険です。
ちなみに、44℃で3〜4時間、46℃で30分〜1時間、50℃では2〜3分で低温やけどになると言われています。
直火OKな湯たんぽ「Miniまる(1.2L)」レビュー
オススメポイント
直接加熱できる!
お湯を沸かして湯たんぽに注ぐという手順をすっ飛ばして、水を入れた湯たんぽをそのまま加熱できるので、手間が減ってかなり楽です!
特にキャンプでは、別でクッカーやケトルを用意する必要がないですし、お酒でも飲みながら湯たんぽの水が沸騰したかどうかを確認するくらいの片手間で夜寝る準備ができるので、とてもありがたいアイテムなのです!
さらにキャンプで連泊する場合や、お家で毎日使う場合でも、水(お湯)を入れたまま再度加熱すれば再利用もできます。
朝まで暖かい(なんなら次の日の夕方まで暖かい)
1.2Lの湯量で朝まで温度が持つのか?!と疑問の方もいるでしょうが、全く問題なく朝まで温かいです。なんなら、筆者が自宅で使用する場合、布団から出し忘れて羽毛布団に包まれた状態で放置された湯たんぽ「miniまる」は、次の日に仕事から帰ってきた夕方くらいまで温かいことがあります。
おそるべし「miniまる」…。
プラスチックよりも保温性の高いトタンを使っているので、使用感としては同容量のプラスチック湯たんぽよりも温かいです!温かい時間も長続きします!
普通に使うだけでも朝まで余裕で温かいですが、沸騰直後のお湯を入れるとさらに長持ちしますし、保温力にすぐれたフリースやボアなどを湯たんぽの収納ケースに使うとなおよし!
マイナスポイント(注意点も含めて)
ミトンや耐熱グローブが必須
熱した後の「miniまる」本体はとんでもなく熱くなります。素手で触ると100%やけどしてしまいますので、フタを閉めて袋に入れるまでには必ず手袋やミトンをしないといけません。
この手袋やミトンを別で用意しなければならず、荷物が増えるのがやや面倒な点です。
お湯を入れた状態だと持ち運びしにくい
丸い形状で端になるにつれて薄くなる構造なので持ち上げにくいのと、取っ手などが無いので持ち運びがしにくいです。
熱したストーブやガスバーナーから持ち上げたい時、熱した状態なのでヤケドしないように手袋をして、さらに水をこぼさないようにうまく持ち上げるためには割とコツがいります。
プラスチックよりも湯たんぽ本体の重量がある
プラスチックの湯たんぽは、大きいサイズのものでも400g前後であるため、そちらよりは重量がある点には注意が必要です。
内部がサビやすい
トタンは前述のように鋼板に亜鉛メッキをして耐食性を持たせたもののことを言います。サビへの耐性もありますが、管理を怠って長い時間水分の多い環境にさらされているとサビます。
サビると穴が開く可能性もあるため、使用後は内部をしっかり乾燥させて保管しましょう!
収納袋(カバー)が付属していないので自分で用意しないといけない
実は収納袋(カバー)付きのモデルもあるのですが、湯たんぽ本体のカラーが「青」になってしまいます。しかも色付きのものは直火で加熱できないのでご注意を!
シルバーのモデルはカバーが付属していないので、無骨なシルバーが良いと思う筆者みたいな人は別売りの収納袋(カバー)を買いましょう!
たとえば、無印良品の「あたたかファイバー鹿の子湯たんぽカバー・中サイズ」がちょうど良いサイズです! カラーもアイボリー、ピンク、ブラウン、グリーンがあります。
土井金属化成の純正の湯たんぽ袋も販売されているので、そちらでも良いですし、Amazonなどにも良いサイズ感のものがあるので要チェック!
これらのデメリットが気にならないようなら、買ってみると良いでしょう!
湯たんぽって経済的なの?
湯たんぽと暖房製品(電気毛布、電気あんか)の1晩あたりにかかる料金を比較してみます。
まず湯たんぽですが、いろいろ調べてみると1.2Lのお湯を沸かすのに必要なガス代はだいたい2.5〜3.6円。1.2Lの水道代金はおよそ0.2円なので計2.7〜4円前後となります。
一方で暖房器具の1晩あたりの料金は、消費電力量(kWh)×電力料金単価(31円/kWh)×使用時間(8時間)で計算します。
種類や暖房の強弱にもよりますが、以下の通りとなります。
電気あんか | 電気毛布 | エアコン 暖房運転 | |
消費電力量 | 20〜60W | 30〜60W | 600〜800W |
1時間あたり | 0.62〜1.86円 | 0.9〜1.86円 | 18.6〜24.8円 |
1日あたりの料金 | 5〜14.9円 | 7.4〜14.9円 | 149〜198円 |
ここに機器本体代を足すことで合計の料金となります。
地域や時期でも違ってきますが、暖房機器よりも湯たんぽの方が安く済む場合が多そうです。
暖房機器は乾燥しやすくなったりするデメリットがありますし、石油ストーブを使っている場合にはそれに載せておくだけで湯たんぽを準備することができるので、色々な視点から見ても湯たんぽの方が安く済みます。ただし一方で暖かさの調整がしやすいのは暖房機器なので、用途に合わせて良い方を選びましょう!
マルカ「湯たんぽA(エース)」との比較
トタンの湯たんぽといえば「マルカ」の湯たんぽも有名ですが、最もスタンダードの「湯たんぽA(エース)2.5L」と「miniまる」とを比較してみます。
スペックの比較
miniまる | マルカ 湯たんぽA 2.5L | |
サイズ | 直径20.5cm ×厚さ6.4cm | タテ29.5cm ×ヨコ21cm ×厚さ7cm |
容量 | 1.2L | 2.5L |
重量 | 485g | 648g |
材質 | <本体>溶融亜鉛メッキ鋼板 <口金>真鍮 <パッキン>ゴム | |
IH使用 | 可能 | 可能 |
特記 | 収納袋の付属なし スペアのパッキン付き | 収納袋が付属するセットもあり スペアのパッキン付き |
価格 | 定価1780円(税込) | 定価3150円(税込) |
温度の比較
どちらもあまり変わらず、朝までじゅうぶん暖かいです!
試しに、就寝前の室温15℃、羽毛布団と毛布をかけた状態で、夜11時に「miniまる」「マルカ湯たんぽA2.5L」それぞれを準備し、朝8時に取り出して測ったところ、「miniまる」は41.6℃、「マルカ」は42℃を示していました!どちらも素手では熱いくらいの温度がまだ残っています。
おそらくキャンプのテントなど屋外で使用した場合はもっと温度は下がるでしょうし、寝具などの条件によっても変わるとは思いますが、温度自体があまり変わらないのであれば、より小さい「miniまる」の方が使いやすいと思います。
「miniまる」をオススメする理由!
サイズがちょうど良い
筆者もキャンプ用に金属製の湯たんぽを購入しようと思った時、「マルカ」を選択肢の第一候補としていましたが、調べてみると意外と欲しいサイズ感のものが無いんです!
2.5Lサイズより小さいのは600mlサイズしかないし。さすがに600mlでは朝まで暖かさが持続しないだろうと、近所のホームセンターで売っていたマルカ「湯たんぽA 2.5L」を買ってしばらく使っていましたが、思っていた以上にデカくてストレスが溜まる!
2.5Lのお湯を用意するのも、直接火にかけて沸騰させるのも大変だし、キャンプで使う時にはパッキングがかさばるので持ち運びもしにくいのです。
そこで「miniまる」を使ってみましたが、拍子抜けするぐらい持ち運びやすかった!
1.2Lのサイズであっても朝まで十分暖かいし、最初から「miniまる」を買えば良かったなと思っています。
マルカは音が鳴る
そしてこれが、筆者が「マルカ」ではなく「miniまる」をオススメする最大の理由です!
個体差なのか、私が使用しているマルカ「湯たんぽA」は、お湯を入れて口金(フタ)を締めてからしばらくするとどこからともなく「キューー」という音が発生してきます。最初は奇妙な音だったので少し怖かったですが、よくよく調べてみると音の出どころは口金(フタ)や注ぎ口のあたり。
おそらく中の水蒸気が液化して液体に戻った際に、湯たんぽ内部の圧力が低下して、口金(フタ)や注ぎ口の隙間から空気が引き込まれることで発生した音でしょう。ということでフタをキツく締めてみましたが、やっぱり鳴る。
注ぎ口と口金(フタ)の構造を入念に調べてみましたがよく分かりませんでした。誤ってフタをしたまま加熱した際に破裂を防止するための圧力を逃す機能がついていますが、そこで逆流するように空気が入り込んでいるのか、構造上隙間があったのか…。
よくよく見ると口金のパッキンもなんだかサイズが合っていないように見えるし。予備のものに変えてみましたがやっぱり音が鳴ります。お湯が漏れやすいというレビュー記事もあったので、単純に注ぎ口に隙間があり、そこから空気が流れ込んでいるのでしょう。
一方で、「miniまる」の方はこれまで音が出ることはありません!前述しましたが、「minimまる」の口金(フタ)にも圧力を逃す機構がありますが、「マルカ」と違ってその部分にもパッキンが設置されています。こういった細かい違いが
「マルカ」の音は個体差なのかもしれませんが、他にも音が出るとレビューしていた方もいたので、音が気になる方は「miniまる」をチョイスした方が良いかもしれません。
まとめ
トタン製の湯たんぽ「miniまる」は、直火で加熱OKな使いやすい湯たんぽです!
筆者の使用感としては、同様の製品である「マルカ」よりも小さく持ち運びがしやすい上に、暖かさはそれほど変わらない印象でした。
ちっちゃくてタフな相棒とともに、この冬を乗り切りましょう!!
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