SOTOの名作「フュージョントレック」。
大人気のため発売後すぐに完売、そして一時期廃盤になってしまったことで品薄状態な入手困難ギアとなっていましたが、2021年12月にマイナーリニューアルされて再販されました!
レビューしていきますが結論から言うと、大人気なのが頷けるくらいの機能性とカッコよさで、私はこのギアを購入したことでキャンプの快適性が大きく向上しました。!
気になっている方や、ガスバーナーを買う時の参考にする点などを知りたい方は、是非参考にして下さい!
SOTO 「FUSION Trek(フュージョントレック) SOD-331」 レビュー
スペック
- 使用時サイズ:幅43cm×奥行13cm×高さ10cm(本体のみ)
- 収納時サイズ:幅11cm×奥行6cm×高さ10cm
- ゴトク径:外径16cm、内径6.2cm
- ガスコード長:約27cm
- 重量:182g
- 発熱量:3.5kW(3000kcal/h)
- 材質:ステンレス
- 収納ポーチが付属
2021年12月再販時のリニューアルポイント
火力が以前の3.3kW(2800kcal/h)から、3.5kW(3000kcal/h)へと強化されました。
ディティール・使い方・ギミック
収納時にクルクル巻きつけてあるガスコードを伸ばし、3枚重ねになったゴトクをバーナーヘッドの丸い形に沿って開くことで、ゴトクを展開していきます。
3つあるゴトクの内、1つは固定式なので、それ以外の2つを展開します。
ガス缶に関しては、対応しているのはOD缶のみですので、CB缶とは接続することができません。
ガス缶との接続部分は、ゴムパッキンでガスが逃げないような構造になっています。
ネジ穴構造になっているため、OD缶をクルクル回しながら接続していきます。
これで準備完了。収納時のコンパクトな様相とは打って変わって、なかなかに貫禄のある見た目に早変わりします。
点火方法
フュージョントレックには「点火装置」がついていません。
そのため、着火のためにマッチやライターを併せて持ち運ぶ必要があります。
これを良い点と捉えるか、悪い点と捉えるかは人それぞれですが、一般的に点火装置は壊れやすく、標高が高い場所などでは機能しないこともあるため、より色々なシチュエーションであったり、長く使用したりすることを考えると、点火装置が無い方が良いと私は考えています。
しかもマッチや点火用の別のギアで火をつけた方がアウトドア玄人っぽいですし、火を点けるのにもう一つ道具が必要というこの不便さは、アウトドアの楽しさの1つかもしれません!
標高3000mなどの超高地に登る場合は、気圧に負けて電子式ライターは全く役に立たないので、マッチなどを持っていきましょう。
このトライアングルのような形をした器具栓ツマミ(火力調整ツマミ)を半時計まわりに約1回転ほど回すと、ガスが放出され始めます。
その状態で、ヤケドをしないように、バーナーヘッド部分にマッチやライターの火を近づけると、ボワッ!と火が点きます。
あとは火力調整ツマミで、火力を調整していけばOK!
サイズ感
ゴトク部分は外径16cm、内径6.2cmとなっているため、大き目のフライパンも安定して載せることができますし、小さいものでは通常サイズのシェラカップも安定して載せることができます。
ほぼすべてのクッカーを載せることができ、いろいろなサイズのギアに対応しています。
朝のお湯沸かしや、ホットサンド、フライパンでの目玉焼きなど、炭火を使いたくない時のちょっとした料理などに幅広く役立ちます!
SOTOの新しい分離型シングルガスバーナーのカタチ
分離型ガスバーナーとは?
一方で「一体型ガスバーナー」とは、本体とガス缶が直列の構造になっているものを言います。
一体型ガスバーナーで有名なものとしては、イワタニの「ジュニアコンパクトガスバーナー」がそうです。
分離型であることによって良い点は2つ!
1つ目はまず、炎とガス缶の距離が遠いことで、熱が鋳鉄の表面などで反射することによってガス缶が過剰に加熱されてしまう(輻射熱)心配が無いため、ガス缶の爆発などに配慮する必要がありません。
このため、一体型ガスバーナーでは、輻射熱の恐れから使用に抵抗のある「鉄製のフライパン」などを、問題なく使用することができます。
2つ目は、ゴトク部の高さが低いので、ダッチオーブンなどの重量のあるクッカーを安定して使用することができます。
風に煽られてクッカーが倒れる心配も無いです。
スタッキングに便利なコンパクト設計
分離型のガスバーナーはその機能性の反面、収納時のサイズが大きくなりがちです。しかし、この「フュージョントレック」は分離型でありながら、収納のことまで考えられたデザイン性の高さが売りの1つです!
「フュージョントレック」の収納時のサイズは250サイズのOD缶(多くのものが直径11cm×高さ10cm程度)とほぼ同じサイズです。
世に溢れるクッカーは「OD缶が中にスタッキングできるか」というポイントを意識してサイズを決定しているものが多いので、それらのクッカーにはピッタリとスタッキングすることができます。
一方で、OD缶を収納できないような、よくあるサイズのメスティンやシェラカップにはスタッキングすることができないので注意が必要です。
強風にも耐える防風性能がスゴイ
下の写真、加工部分にうっすら青い炎が見えるかと思います。
バーナーヘッドに設置された炎口はなんと約300個。火柱の高さも低いため、風による影響を受けにくい炎が出てきます。
またバーナーヘッドの周囲のフチは、円形に壁が立ち上がった構造となっているため、横風に煽られて火が消えてしまう心配が無く、ふもとっぱらキャンプ場や登山、スキー場などで風が強い状況でも不自由なく使用することができます。
マイクロレギュレーターで安定した火力の強さ
バーナーヘッドに炎口が300個もあるためとても火力が強く、良く火を通した方が良い料理で重宝します。
ツマミで弱火からの火力の調節も簡単なので、料理の失敗も少ないかと思われます。
さらに「マイクロレギュレーター」という機能を搭載しており、冬季などで寒さによってガス缶内部の圧が低下し、火力が安定しなくなる「ドロップダウン現象」に対して自動で供給圧を調節してくれるので、高地や冬キャンプなどの寒い環境下でもある程度の火力の強さを維持できます。
クッカーを使用した水の沸騰もあっという間に済んでしまうので、お湯が欲しい時にはすぐに準備することができます。
デメリットのように見える点
ガスコードの耐久性が不安
銀色のガスコード(ホース)がフニャフニャでかなり柔らかく、使用を重ねると毛羽立ちそうな素材でできています。
使い始める前は弱弱しいのかなと少し不安でしたが、私は購入してからこれまでに20回ほど使用し、今のところ切れそうになるなどの不具合は全くありません。
本来、ガスバーナーの使用期限は10年程度と言われており、それまでは余裕で耐えることができる耐久性はあると思います。
ゴトクの安定性
ゴトクは3本なので、ゴトク同士の間が広く、置いたクッカーが倒れてしまう心配をされている方もいるかもしれません。
しかし中身を入れたクッカーであれば倒れることはまずありません。
空焚きなどをしたい場合には、クッカーのサイズによってはゴトクとゴトクの間に倒れてしまう恐れもありますが、クッカーが倒れないように、クッカーの持ち手をゴトクのある方向に合わせてセッティングすることで予防することができます。
ガス缶を取り外す時にガスが噴き出す
ガス缶を外す時に、ガス缶の内圧が一気に解放される瞬間があり、プシュッ!!とガスが噴き出します。
これにより、近くに火があると引火してしまいそうで少し危険です。
また手が若干臭くなったりすることがあり、この点はデメリットであると感じました。