夏といえば「最高に盛り上がろうぜ!!」みたいなスーパーアップテンポの曲が取り上げられがちですが、その反面、大切な人との別れを夏の終わりの寂しさとリンクさせている名曲も沢山あります。
夏のアップテンポな曲はいっぱい知ってるからいいよという方も、このブログを見れば、夏のもう1つの側面を、音楽を通じて味わうことができます。
今回は、年間300枚以上アルバムを視聴する私が、I Loveサマーなアゲアゲチューンではなくて、海やプールに入った後の、ゆったりと流れる午後3時くらいのあの気怠さを表すかのような、ノスタルジーでチルアウトできるオススメ楽曲をいくつか紹介します。
中にはYouTubeにもUPされていないような曲もあるため、Apple Musicなどのアプリでも是非!
Sea / YUI
現在FLOWER FLOWERのVo.として活躍しているYUIが、シンガーソングライター時代に活動休止明けに最初に出したシングル「again」のカップリングとして収録されています。
夏と地元はセットのようなもので、ひまわりが咲いたら帰ろうと夏を待ち遠しく思う上京したてガールの心境を歌ったかのような曲です。ゆったりとしたミディアムバラードで、この曲を聴いてから「Summer Song」→「I Remember You」の流れで聴くと、YUIの夏を最初から最後まで楽しめてオススメ!
ひまわり /福山雅治
ご存知福山雅治さんの「ひまわり」は演歌界の巨匠・前川清に楽曲提供したものをセルフカバーした楽曲です。大切な人と過ごしたいつかの夏を思い出す曲です。私はこの曲を聴くと随分前に亡くなってしまった祖父を思い出します。
夏の情景を表すのに他の曲では使われないような文学的な表現を用いているのがこの曲のアイデンティティ。初期の荒々しいセクシーな福山と、それ以降の大人な福山の移行期にあたる作品であり、キャッチ―ながらもノスタルジックな雰囲気が作品全体を通して流れる名盤です。
夏海 / 山崎あおい
北海道出身のシンガーソングライター山崎あおい。YUIに憧れて音楽を志したとのこと。音大出身で培われた感性は、オリジナリティがありながらも、どこかで聞いたことのあるような懐かしさを感じる楽曲が多いです。
いい時間 / EVISBEATS
HIPHOPグループ「韻踏合組合」の旧MC・AKIRAがソロ活動として始動したEVISBEATS。
どれだけ忙しくて、どれだけ疲れていても、この曲を聴くと自然と良い時間が流れるという不思議な曲です。収録アルバム名は「ひとつになるとき」。
車のかげでキスを / Lucky Kilimanjaro
今大注目の6人組エレクトロポップバンドLucky Kilimanjaro。この曲はsingle「HOUSE」のカップリングとして収録されています。
ディスコサウンドを思わせるラッキリの楽曲には「エモめの夏」などアゲアゲサマーソングもありますが、こちらは夏キャンプのうだるような暑さや、昼からビール飲んで、なんか怠いなという猛夏あるあるを見事にイメージされた隠れた名曲です。イントロからやられます。
LOVE MY CAR / Tempalay
「そなちね」でも爽やかな夏ソングを炸裂させていますが「Tempalay」はこちらも必聴。ワーゲンのビートル乗りならこの曲は知ってるべき、という曲です。
夏の朝や夕方に海岸をドライブするのにピッタリです。ローファイな雰囲気に睡魔が襲ってきても、途中から急にサイケデリック全開になるので居眠りの心配もなし!カラオケ調のMusic Videoもユーモアがあって面白いです。
おかしな気持ち / 小原綾斗とフランチャイズオーナー
Tempalayのボーカルがやっている別バンドで、大人が音楽を使って真面目に遊んでいるだけのバンドです。この曲のPVもただただ遊んでいるだけなんじゃないかと思える低予算感満載のプチホラームービーでありながら、肝心なそのメロディにはゾンビではなく爽やかでオシャレな吹奏楽が蹂躙する夏の曲に仕上がってます。
夏のかけら / Aqua Timez
惜しまれつつ解散したアクアタイムズの夏の名曲。歌詞を聴かせるバンドという印象が個人的にはありますが、この曲も例外なく幼い頃の夏の情景が浮かび上がるフレーズが盛りだくさんです。
海に行ったり、祖父母の家で流しそうめんをしたり、近所のため池でマスを捕まえたり、プールの帰りに夕立に合ったりと、小さい頃の思い出は「夏」がやはり一番多かった。永遠のように思えた一瞬の夏を思い出させてくれます。
小さな恋の夕間暮れ / 森山直太朗
さくら(独唱)や夏の終わりなどの数々の名曲を擁する森山直太朗ですが、こちらは意外と知られていない隠れた名曲。芸人の吉住がネタで使っていました。
秋を思わせる雰囲気ですが、どこか鬱陶しい夏の暑さも感じます。文学的なフレーズや夕方の情景が浮かんでくるメロディ、散髪のMusic Videoのどれをとってもハマる完成度です。
眩しい、眩しすぎる / 離婚伝説
Vo.松田歩、Gt.別府純からなるバンドで、1990年代を彷彿とさせるようなメロディが特徴。バンド名の由来は、1984年に悲劇の最期を遂げたあのMarvin Gayeが、慰謝料返済のために作ったとされるアルバム「Here, My Dear(邦題:離婚伝説)」からとのこと。
海に入った後の湿度の低い疲労感があるビーチサイドを思い出させるような爽やかなナンバーです。
渚をドライブ / バレーボウイズ
京都精華大学で結成された7人組バンド。解散昭和歌謡の様な懐かしさを感じさせる、クセのある曲調や歌声は唯一無二ですが、2020年の夏の終わりに5年間の長かった学園祭を終えて解散してしまいました。
実はこれは冬の歌ですが、夏に聞いてもなんかイイ。ギターの音がなんとなく寂しくなる夏の終わりを想起させます。
Summer Beauty 1990 / ラテンでレッツ・ラブまたは1990サマー・ビューティー計画 / FLIPPER’S GUITAR
小沢健二とコーネリウスこと小山田圭吾が在籍していた、いわゆる「渋谷系」バンドの代表格。タイトルの主張が強いのは今も昔も変わらず。2人体制となった時期のもので、今から30年も前の曲ですが、現代においてもその斬新さは輝きを保っています。
ラテン調の音楽とシューゲイザーが邂逅したような曲は夏の夕方に浜辺をドライブするのにピッタリ!夏が終わってクリスマスまで行っちゃうのはご愛嬌ということで。
若者のすべて / フジファブリック
この曲が有名すぎるからか、志村正彦の声を聞くと夏を思い出すのは私だけではないはず。
志村正彦が亡くなってからもう十何回目かの夏が終わりますが、最近では天気予報士がなかなか夏のピークを伝えてくれないほど暑くなってきています。四季の移行期にこそ名曲は生まれるもので、この曲を聴きながら今年最後になるであろう花火をビールでも飲みながら見るのが楽しみだったりします。