上海のコーヒー器具ブランド「TIMEMORE(タイムモア)」のコーヒーミルの中でも、携帯性に優れた「NANO」シリーズの新作「NANO3」をレビュー!
コーヒー器具ブランド、タイムモアとは??
2012年に設立された中国上海のコーヒー器具ブランドです。
コーヒーミル(グラインダー)からドリップポット、スケール、フィルター、果ては温度計に至るまで、コーヒーを淹れるのに必要な道具は全てタイムモアで揃います。最高の1杯を飲むためだけにこだわり抜かれた、これら製品の数々は、見ているだけでも香ばしい香りが鼻腔を通り抜けていくような気がします。
2018年には中国のコーヒーブランドでNo.1の売り上げを記録し、2020年には世界42の国と地域で販売されるようになるなど、今や飛ぶ鳥を落とす勢いで世界中のコーヒー愛好家を唸らせるブランドに成長しつつあります。
中国製と聞くと忌避する方もいるかと思いますが、現在の中国のモノづくりを侮ってはいけません。ひと昔前のメイドインチャイナとは訳が異なります。
タイムモアに限って言えば、あのスターバックスとも提携しており、広東省にある製造工場では厳しい審査基準を満たした高い品質の製品が魅力的で、整ったサプライチェーンによって私たちの手元に届くようになっています。
※日本で購入する場合、AmazonなどのECサイトは偽物を取り扱っているショップもあるようなので、販売ルートはしっかり確認してから購入しましょう。
タイムモア「NANO3」とは??
タイムモアの「コーヒーミル(グラインダー)」の中でも最もサイズが小さく、携帯性に優れたタイプ!
重量も軽く、持ち運びがしやすいということで、キャンプをはじめとするアウトドアでの活動で家から持ち出して使用する方が多数です。
スペック
- サイズ:高さ126mm×直径45mm
- 重量:約385g
- 容量:焙煎豆10〜15g
- 材質:<ボディ>アルミ、<臼刃>ステンレス
- 臼刃:S2C660臼刃(5軸高精度CNC切削加工、55-58HRC硬度)
- 付属品:収納用ポーチ、掃除用ブラシ
ディティール
本体(受け皿以外)の側面はダイヤモンドパターンの表面加工が施されており滑りにくいことからグリップしやすくなっています。
上蓋は軸部分と六角形の凹凸はめ込みで取り外せるようになっており、上蓋を外して豆を入れるようになっています。
反対に下部の受け皿を外すと、ボディ下面に挽き目調節用のナット(ダイアル)があります。
時計回りに回すと細挽き(FINE)、反時計回りに回すと粗挽き(COARSE)となります。どちらに回せば良いのかひと目で分かるように図も書かれており一応親切。
挽き目調節ナットは挽き目を調節する以外にも、反時計回りに回し続けるとねじ部分が外れ、全体を分解することができるようになっています。
これにより全部で11個のパーツに分解することができます。掃除するのに便利ですが、この分解操作は公式では非推奨となっているようなので必ず自己責任で!それとワッシャーを無くしやすいので要注意!!
ハンドルはウッド部分が逆三角形となっておりとても握りやすい。
さらに根本部分をスライドさせると折り畳むことができます。
「NANO3」と「NANO」の違い
タイムモアNANOと調べるとおそらく「NANO」「NANO3」の2種類が見つかると思います。
2種類の詳細な違いについては公式サイトにも記載されておらず、私もどちらを手に入れれば良いのかよく分からず、メーカーへ直接問い合わせてみました。
返信された内容によれば、簡単に言うとNANOの最新版が「NANO3」です。具体的な大きな違いは「臼刃」と「色」のとのこと。
まず臼刃に関しては、NANOは「レギュラー臼刃」で、NANO3は「S2C660刃」というものを使用しています。
「S2C660」は「栗子X」や「C3」シリーズと同様のコンセプトを持った臼刃になります。S2CはSpike to Cutの略語であり、その特徴は突き刺してから切る二次切削研削方式というものをとっているとのこと。詳細は不明ですが無印「NANO」は旧モデルであり、「NANO3」がアップデート版なので豆の粉砕にはより特化(粒度の均一性向上と微分の減少など)しているものだと思われます。
また色に関しては、NANOが灰色に近いブラック(というかダークグレーです)なのに対し、NANO3はTHE・黒のブラックとなっています。
これら2つの違いが主のようです。
タイムモア「NANO3」レビュー 【ソロキャンや少人数に最適】
使い心地は?
細挽きは時計回り、粗挽きは反時計回り方向に調節ナットを回転させます。
1段階回すことを「クリック」と呼び、何回クリックしたかによって好みの調整を探ります。
- エスプレッソ:7-8クリック
- ハンドドリップ:13-16クリック
- フレンチプレス:17-20クリック
推奨されている挽き具合は上記の通りです。キャンプなどで使用する場合にはハンドドリップが中心となると思われるため、15前後のクリックで調整することになると思います。
16クリックで挽いた場合の粒感は以下の写真の通りです。私は専門家ではないのですが、YouTuberやレビューコメントを参照すると、プロの方々の見解ではある程度均一な粒度であり、この価格帯のコーヒーミルとしてはかなり優秀だとのことです。この均一性と再現性の高さはベアリング内蔵のブレない軸の安定性と適切な硬度の臼刃によって実現されているものと思われます。
本体のサイズ的にとても握りやすく、さらにハンドルのグラインドはとても滑らかで、それほど力を入れなくても簡単に挽けます。豆が入っていない状態であれば手で回さなくてもボディを傾けるだけでクルクル回り出すほどです。
挽ききるのにかかる時間もだいぶ早い方だと思われます。
また、ミル臼刃がキレッキレの刃物のようなシャープさを有しているので豆への刃の入り方が早く、砕くというよりもスパッと切るに近い感覚で粉砕されていきます。NANO3は従来品よりも微粉が出にくいとされていますが、これも臼刃のおかげかもしれません。
細粒の均一性が高く微粉が少ないためか、淹れたコーヒーの味も雑味が少なく、再現性の高い味わいを楽しむことができます。
クリック数を調節することで好みの味を追究するのも醍醐味の1つとなるでしょう。
また、お手入れに関してですが、器具に付着した豆の粉末を使うたびに分解して掃除するのは面倒だし、分解行為自体がメーカー非推奨であるため、私は分解して掃除するのは2〜3週に1回程度に留めています。
それ以外は「エアーダスター」などを用いて、ミル内部に付着した粉末をシューっと吹き飛ばしてお手入れしています。カインズホームのエアーダスターがオシャレでオススメ!
その他のオススメポイント
持ち運びがしやすい
NANOの名の如し、タイムモアのコーヒーミルの中で最小サイズなので片手に収まり、キャンプなどでの持ち運びに特化しています。女性や手が小さい方にも使いやすいサイズ感だと思います。
見た目のかっこよさ
コーヒーミルをはじめコーヒー器具はデザイン性が高いものが多いですが、その中でもトップクラスのカッコ良さだと私は思います。
収納袋とブラシ付き
地味に嬉しいのが、内部に1つ仕切りのある収納袋と掃除用のブラシが付属していること。
コーヒーミルの管理がしやすくなります。
マイナスポイント
砕いた粉末が静電気で器具に付着しやすい
パーツがステンレスなので、特に掃除後の初回利用時には静電気により粉末が器具に付着しまくることがあります。
これによりコーヒー粉末全体の量が減ったり、掃除が面倒だったりというデメリットになります。
豆は一度にMAX15gまでしか挽けない
本体のサイズが小さいため、どうしても一度に挽ける量が少なくなってしまいます。
20gは挽けないので1人分ずつコーヒーを淹れることになり、複数人で使用する場面にはあまり適さないかもしれません。ソロキャンなどでは全く問題ないでしょう。
現在のクリック数が分からなくなる
挽き目の調節ナットに現在何クリックで停止しているかを表示する目盛りが無いため、クリック数を忘れるともう一度ゼロクリックまで戻してから調節し直す手間がかかります。
価格が高い
価格が1万5千円以上します。しかしコーヒーミルというものは価格と性能が比例すると言われているため、この価格帯ではコスパが良いという口コミが多いのも事実。お財布と相談して決めましょう。。