世の中に焚き火台は数多くあれど、その中でも最軽量クラス、かつ耐久性もあり所有欲も満たしてくれるベルモント「TABI」。
ソロ向けの焚き火台やパッキングしやすい焚き火台を探している方は是非!
ベルモント TABI
スペック
- 使用サイズ:タテ23×ヨコ36×高さ17cm
- 袋に収納時のサイズ:38×19×1.5cm
- 総重量:478g(グリルエクステンション無しだと総重量423g)
- 個別重量:本体298g、側板29g、網96g、グリルエクステンション55g
- 耐荷重:火床15kg、網5kg(2021年3月以前のモデルは3kg)
- 材質:<本体>チタニウム、<脚部・網>ステンレス、<収納袋>ナイロン
火床の高さは6.5cmなので地面とかなり近く、焚き火シートなど地面への耐火・耐熱対策は必須です。
組み立てもシンプル
付属品は、①本体部分のパネルが2枚、②脚スタンドが3本、③風防のための側板2枚、④網(グリル)、⑤グリルエクステンション、それと収納袋です。
グリルエクステンションは付属しているものとそうでないものがあるようなので、購入前に確認しましょう。
2枚の本体パネルを組み合わせ、少したわませながら脚スタンドにはめ込んでいきます。
初めての使用時には少し力が要りますが、2回目以降は多少パネルにたわみやすさが出てくるので、組み立てやすくなります。
上に網やグリルエクステンションを載せれば完成です。
メンテナンス方法
チタンは熱伝導性が低く、耐久性もあるため熱による変形が起きにくい金属です。
しかしながら焚き火での使用後には積載した薪やクッカーなどの重さも相まって、たわんでしまいます。
このまま使用を重ねていくと、同方向への屈曲クセが付いてしまい、そのうち脚スタンドとのかみ合わせが悪くなることが予想されます。
ですので、使用した度に、曲がりクセをある程度直すように反対方向に矯正する作業をしておいた方が良いです。
かなり力を入れてもパネルが割れることは無いので心配いりません!
またチタンはサビにくいとも言われていますが、灰はしっかりとウエスなどで払い落し、油汚れに関してはしっかりと拭き取っておきましょう。
サイズ感
シェラカップやスキレットは2つ分載せて少し余裕があります。
下の画像ではスノーピークの通常サイズのシェラカップと16cm(約6インチ)のスキレットを載せています。
グループでの使用には小さすぎる印象ですが、ソロキャンプには最適なサイズ感となっています。
他の近似するサイズのギアとしては、SOTOのフィールドホッパーなどA4サイズの小型テーブルとほぼ同様の面積です。
ホームセンターなどで市販されている38cmカットの薪も、側板を片方外せば問題なく積載することができます。
薪をノコギリなどで切断せずに使用できるのは楽でとても良いです。
トライポッドなどとの相性も良く、網の耐荷重である5kgを超えるようなダッチオーブンなんかはトライポッドを使用すると良いです。
ちなみに下の画像はホームセンター・カインズのトライポッドです。
【たったの423gで実現する焚き火】 ベルモント「TABI」を徹底解剖 【レビュー】
オススメポイント
① 持ち運びのしやすさがベスト!
グループでBBQなどをする時には、いつもユニフレームの「ファイアグリル」を使用していますが、ソロでアウトドアをする時には「TABI」を持ち歩くようにしています。
大き目の焚き火台は、それ1つで片手が埋まる荷物になってしまいますが、「TABI」はバックパックにも入るし、薪などと一緒に運ぶことができるため、荷物の軽量化に最適な焚き火台です。
② サビにくい
チタンの特徴として、サビにくさが挙げられます。
使用後は軽く灰や油汚れを拭き取り、しっかり乾燥させてから収納しておけば、簡単にはサビつく心配が無いため管理がとても楽です。
③ 意外と耐久性がある
最初に手に取った時、焚き火台としては本体の薄さがかなりペラッペラだな、と感じました。
耐久性が少し心配だったのですが、何度か使用してみて、意外と耐久性があることが分かりました。
使用の度に屈曲のクセを直したりする必要がありますが、ピコグリルのようにかみ合わせが悪くなってくるという現象も無く、丁寧に使っていけば永く愛用していける焚き火台だと思います。
1回使用した後の様子↓
10回使用した後の様子↓
④ チタンブルーが美しい
焚き火台は使用していくにつれて灰や油などの汚れが積み重なっていき、焼き網とは違って毎回しっかり洗うなんてことはしないと思うので、ピカピカだった金属の色がどんどんくすんでいきます。
ここでチタンという金属について見てみますが、チタンには熱が加わると表面に酸化被膜ができるという性質を持っており、光の屈曲の関係で「チタンブルー」という特徴的な発色をすることが知られています。
この焚き火台「TABI」にもチタンが用いられており、使い終わった後の火床には、灰色の中からチタンブルーが顔を出します。
この色がなんとも美しく、炎の赤色と絶妙なコントラストになって余計に焚き火が楽しくなること間違いなしです。
マイナスポイント
① 火床と網の距離が近い
火床と網の距離が10cm前後で、薪などを載せると、網部分は常に強火の直火に晒される状態になります。
セリアや100円ショップなどで売っているスタンド付きの網を使用して網部分の高さを高くする工夫などをしている人もいたりとカスタムすればある程度は改善しそうです。
または調理の際には炭を使用するか、鉄板やスキレットなど直火を遮ってくれるものを使用するのをオススメします。
② 火床が薪に対して平行な「谷」構造なので、燃焼効率に難あり
薪を積載すると、薪自身の重量で焚き火台の谷部分に燃焼物が集合してしまい、空気の通り道が塞がれて不完全燃焼しやすくなります。
さらに本体パネルにも細長い空気孔が開いていますが、谷部分までは空気孔が続いていません。
不完全燃焼になると何が困るかというと発生する「煙」です。
モクモク立ち込める煙が増えることによって、周りに迷惑をかけたり、むせたり目が痛くなったりしてしまいます。
ですがそうは言っても、こまめに薪の向きを変えたり、組み方を調整したり、しっかりと乾燥した薪を使用したり、火吹き棒などで火をキープしたりすれば、下の写真のように最小限の煙で焚き火を楽しむことができます。
コツを掴んでしまえば最高の焚き火台であることは間違いないです。
ピコグリルとの比較
ピコグリルも種類がいくつかありますが、特に人気の「398」「498」「760」サイズと比較してみます。
TABI | ピコグリル 398 | ピコグリル 498 | ピコグリル 760 | |
サイズ (使用時) | 幅36×奥行23.7 ×高さ17cm | 幅38×奥行25 ×高さ25cm | 幅41×奥行28 ×高さ21.5cm | 幅54×奥行38 ×高さ27cm |
サイズ (収納時) | 縦17.8×横36 ×厚さ1.5cm | 縦23.5×横33.5 ×厚さ1cm | 縦25×横35 ×厚さ1.8cm | 縦45×横30 ×厚さ2.5cm |
総重量 (袋込み) | 478g | 495g | 490g | 1340g |
材質 | チタニウム | ステンレス鋼 | ステンレス鋼 | ステンレス鋼 |
耐荷重 | 火床15kg 網5kg | 明記なし | 明記なし | 明記なし |
収納袋 | あり | あり | あり | あり |
特記事項 | グリルエクステンション付属 | スピット(串)2本付属 | スピットや網のセット販売あり | 変形五徳とスピット付属 |
- サイズに関して言えば、「TABI」がサイズ的には最も小さく、それゆえに重量も最も軽くなっています。ソロでの使用で、持ち運びやすさを最も重視するならば「TABI」が良いでしょう。
- 材質は「TABI」のみがチタンを使用しており、所有欲の観点で言えば圧勝です。
- 調理の面で言うと、「ピコグリル」の方が火床からの網の高さが高いため、火力の調節はしやすいかと思います。
- 燃焼効率は、「ピコグリル」はくべる薪に対して直角方向の谷構造になっているため、空気の通り道が形成されやすく、不完全燃焼が起きにくくなっています。
- 耐荷重に関しては、ピコグリルの方は公式サイトを拝見しても明記されているものはありませんでした。
- 安定性は、「TABI」は脚部が3本、「ピコグリル」が2本なので、「TABI」の方が安定して設置できます。
- 耐久性は、「ピコグリル」は構造上、熱変形によって脚スタンドとのかみ合わせが悪くなるというレビューが散見されています。
- 知名度は圧倒的に「ピコグリル」の方があるので、マイノリティ派の方は「TABI」を選択しても良いかもしれません。